カリフォルニア州在住のスティーブ・キモック、グレイトフルデッドファンが、あんな事こんな事。いろんな事、書きます。

It's up to you 〜Steve Kimock freak's diary〜

04/23/2012 Steve Kimock w/ Les Paul Trio @ New York (Webcast)


寝耳に水のライブキャストアナウンスメント。
Facebookにキモック自身がポスト。
今日の8時と10時のステージ。西海岸は5時と7時。
Iridium Jazz ClubというLes Paulの根城だった場所だ。

Les Paul Trioと一緒ってことで、聞いたことなかったけど、あのレスポールのバンドだったら間違いないだろう。

二つのショーとも前半20分くらいはLes Paul Trioだけで演奏。
美味い。実に美味い。
Les Paul TrioはNeil Jason:Bass, John Coliani: Piano, Lou Pallo Guitar
上品なジャズ。そんで、なによりギターが際立っている。
トレモロ、ディレイなんかがきれいに散りばめられたキラキラな音。そしてリヴァーブがまた素晴らしい。きれいな飴細工を見ているようなレスポールのあの音が見事に再現されていて一発で好きになった。

1セット目
何曲かやってからキモック登場。
この前のコロラドランで初登場した’68 Gold TopのLes Paulを持って現れた。
いわくつきLes Paulだ。キモックドットコムのビデオでいっていたやつ。
このLes Paulは11歳かそこらのスティーブが初めて手にしたギターだそう。ある時その人がギターを手放すことになって、eBayにオークションに出した。それを目にしたスティーブは彼に確認したら本当にそのギターだった。結局大金を払って最近買い戻して自分のものにしたようだ。

どうであれ、
なんだかぎこちない。バンドとあまり噛み合っておらず、やっぱこんなコテコテジャズバンドとじゃかなりきついかなと思ったりもした。
トリオのほうもトリオのほうで腹を探っている感じ。「このキモックってやつは何者だろう」という雰囲気が音から聞こえてきた。

そもそもレスポールマンデーということで、レスポールの名誉を称え毎週さまざまなジャンルからゲストギタリストを迎えて演奏するという趣向で、今までもJeff Beck, Steve Miller, Ted Nugent!あたりがこの企画に参加しているようだ。
それが今回はキモックというわけだ。

セットリスト.
Nana’s Chalk Pipe w/ Les Paul
Many Rivers To Cross w/ Jazzmaster
Sun Sun Sun w/ Les Paul
Sleepwalk w/Jazzmaster

そいやぁ、Martine Fierroのヒスパニック系の消防士がなぜNYの消防署にいないかのジョークなんかもいってたな。

2ステージ目でようやく火がついた。
Nana’s Chalk Pipe w/ Les Paul
Many Rivers To Cross w/ Les Paul
Sun Sun Sun w/ Jazzmaster
You Are the One w/ Les Paul
Sleepwalk w/Supro
encore
Soul Roach w/Les Paul

一曲目のChalk Pipeでピアノがはじけた。ガンガン、好戦的といってもいいくらいに煽るピアノが心地よかった。で、Steveとピアノのバトルが延々と続いた2ステージ目だった。
ドラムがいないのでギターとベースがリズムセクションのように働き、ピアノにスペースを与えているといった感じ。

ギター対ギターという形にはなりにくい、スティーブのプレイスタイル上。
今まで僕がきいた中でスティーブとギターバトルが成りたっていたのはLittle FeatのPaulだけだった、コロラドのフィルモアでのPhil and Friends。Barry Slessとも合わず、私にはTreyともかみ合わずのように聞こえた。
どちらかというとみんなSteveにスペースを譲る形になる。それかかっちり領域を分けてソロをするという感じになってしまう。溶け合いにくい音なのだろうか。そうかもしれない。

それが今回のピアノはいら立っているかのようにバトっていた。武器は音階を駆け上るような早弾きしかないんだけど、とにかく面白いくらいにガチンコで。人によってはあんなのダメって言うだろうけど、個人的にはとても楽しめた。
あれでいい、緊張感も含めて気持ちいいんだから。

Soul RoachはFur Peace Ranchに行った時に教えてもらった曲で、単純にここでまた聞かせてもらうことができて嬉しかった。

仕事しながらの耳だけライブだったのだけど、素晴らしかった。数時間仕事にならなかったというのは言うまでもなかったですな。
んーよかった。

4/20/2012 村八分

ステージに向かって左側、二列目あたりか。
フジオさんがいないところをみると、再結成村八分。
チャー坊は別段チャーミングでもなく、見た目を気にしているわけでもなく、単に柴田和志さんである。ニュートラルな表情だが、そこには妙な緊張感がある。思ったより健康そうで、以外に丈夫な感じが昔喧嘩強かったんだろな、という印象を受ける。

「こんな夢を見た。4/20」

一曲目は何だったか忘れたが、二曲目に「草臥れて」。
イントロからうたに入ったあたりで、涙が出てきてとまらなくなる。
この曲には弱い。

次の曲は知らない曲だが、隣にいた40代位の男が「なんで泣いてんの」というので間髪いれず「泣いてて悪いの」と言う。
すると斜め前にいた白いシャツのこれまた40代位の男が、僕の胸ぐらに掴みかかってきて「結局おれたちは村八分を聞きに来たんだよ」とすごんだ。
するとすぐにその男「これ、さっき○○さんにはウケたんだけどね」といって、横のやつに笑っている。
気分悪いが、よくわからないので何も言わず黙っていたら、横から悪かった悪かったとジョイントがまわってきた。
仕方がないので一服して、白シャツにまわすと深く吸いすぎてむせている。

ザマぁみろ。
みんなで徒党組んで見に来るようなバンドかよ。

チャー坊は客席に降りて、向こうのほうで何かしている。
裸の女の人なんかも踊ってたりしてて。

そんなところで目が覚めた。
つけていたアイマスクをとると、ここベイエリアは晴天。まぶしい光で眼が一瞬つぶれた。

4/20のきついシャレだなぁ、柴田さん。ホントきついシャレだよ。


18年前、1994年の4月25日。柴田さんはひとり静かにこの世を去った。
合掌。

04/18/2012 Stu Allen & Mars Hotel @ Ashkenaz


JGBのギタリストStu Allen。去年にお子さんが産まれてJGBから抜けた。
そりゃそうだ。JGBはハードコアなツアーバンドとして有名で、あんなツアーをしてりゃ子供と一緒の時間なんて無理だろう。
というわけで、ローカルに音楽活動を続けている。そのバンドがMars Hotel。ベタなネーミングだね。笑
このバンド、結構毎週Ashkenazやっている


水曜日の夜。オーディエンスはほどほどな入り。いい感じの雰囲気だ。
できかけのシーンといった感じ。
みんなリラックスしていて、領土争いみたいなのもない。

いいバンドだとは思うけど、出てくるものがJerry Garcia BandかGrateful Deadの曲しかない。
それだけを求めて楽しむにはとてもいいバンド。
下手に実験をしたりしないし、安心して見ていられる。

古典落語を聞いていると思えばいい。
確かに心地いいし、何より踊れる音楽として機能している。

ただ私に言わせりゃ、ロックは古典芸能とは違っていつも変化していくものだし、自分をでっち上げることによって育ってきたものだと思うので、周りの目を恐れない確信犯なバカで正解なんであって。つまりは私の思うロックミュージシャンの在り方とは異なるところで動いている人たちだ。

と偏屈なゴタクを並べてみてもね、こういう路線の人たちは強い。なんせ職人なんだから、「お前よりおれのほうが上手くギター弾けるだろ、ジェリーに近いだろ」と来る。ただそれでおしまい。「でも、お前よりジェリーの方が上手いし、あんたはジェリーでもない」と言ってしまいたくなる。

こんなグチャグチャ言うのならそんなコンサート行かなきゃいいじゃないかと言われるだろうけど、行く。さっきも言ったが今はもう聞けない、好きな音楽をライブでやってくれるバンドだからだ。つまりはDeadの音楽としては、ファンクションしているからだ。
もちろん細かく聞けば全然違うけどね。

リスナーとしての自分と、音楽をやる自分との葛藤みたいなのがここにあって、ここでこんな自分勝手な分析をさせてもらってます。
すんません。

04/07/2012 Grandpa Banana's band @ San Geronimo Valley Community Center



昨日が動のステージとしたら、今日は静。
昨日がブルーズで今日はフォーク/ブルーグラス。
ジャンルとしてキャラが出ちゃってるってのがすごい。

Bananaという人は本名をLowell Levingerというマサチューセッツ出身の元はブルーグラスミュージシャンだったそうな。バンジョー、ピアノ等いろいろな楽器をこなすことができるミュージシャンで、後にThe Youngbloodsというバンドを結成。”Get Together”がヒットし1967年にバンドは活動拠点をニューヨークからSFベイエリアに移す。
バンドが空中分解した後、バナナは20年にわたってMimi Farina(Joan Baezの妹)のキーボードとしてサポート。Dan Hicks(この日のギグの前日はSFでDan Hicksとギグだったみたい)、Barry Melton, David Grisman等地元のミュージシャンたちとつるんで今に至る。

今回はCDリリースパーティということで。
このCD ”Even Grandpas Get The Blues”もベイエリアコネクションが詰まってまして、Barry the fish Melton, Terry Haggerty, David Grismanの他、Zeroで一緒だったKimock, Bobby Vega。そのほかにもRy Cooderが参加。
まだ聞いていないのだけれど、悪いわけないですね、このメンツじゃ。

肝心のショーはというと、数年前に中庭でKimock&Antonのショーがあったコミセン。
ただ今回は屋内の会議室みたいなこじんまりとしたホール。
小さな手作りステージにこれまた小さなPA。椅子は80から100位あったかもっと少なかったよな。

今回も遅刻でファーストセットは見られずセカンドセットから。
5 string tenor guitarというみなれない楽器を持ったBanana、mandolinのDavid Thom, bassのSam Page、という三人編成。
トラディッショナルなフォーク・ブルーグラスな曲。それに温かみのあるBananaの声というのが絶妙なマッチで、非常に癒されました。

Bananaの声は非常に特殊な声だと思う。
フォーク的な温かみがあると同時に、ガツンとドスがあるブルージーな声も出せる。
私も妻も個人的にこの人の声が大好きで、事あるごとにBanana Banana言っているのですが、今回も彼を最前でみられて大満足

ギターも前から思っているんですが普通のギターではなく変速チューニングで普段弾いている為でしょう、非常にプレイスタイルがユニーク。フィンガーピッキング。
今回はアンプは無しで、全員マイクで音を拾ってPAから出す。確かに前日のような踊れや叫べやのロックショーではないので、ガンガンに音を増幅させる必要もなし。
ちゃんとした曲をちゃんとした音で出していれば通じるタイプの音楽ですね。

見に来ていたオーディエンスも私のような、長ひげ+長髪+furtuhurフーディーという、ホームレスヒッピールックの人はほとんどいず、白髪でちゃんと髪もセット。襟付きのシャツをジーンズにちゃんと入れ、靴もちゃんと。みんなちゃんとしている60〜の紳士淑女たちで、昨日とはまた違った意味で浮いてましたが、ま、それはいいや。

バンドメンバーも話してみると非常に柔和でいい人達で、こういう「誰とでも話せる」的な手作りショーは本当に心地が良くまた行きたいなと思いました。


追記:
今new album聞いていますが、渋すぎー。
マジでかっこいいわー。
こんなすごい人が埋もれていっちゃ、本当にもったいない。
どうにかして音源アップできないかなー。
ナマで見られて本当にあたくしは幸せ者ですわ…








04/06/2012 Jerry Miller Band w/ Terry Haggerty @ Don Quixote's



もともとは土曜日のバナナのギグにテリーが現れるかどうかを知りたくて、彼のフェイスブックページを訪ねたところ、偶然見つけたこのイベント。
ジェリーミラーというギタリストは誰だか知らなかった。
モビーグレイプのメンバーである、ということは数年前にゴールデンゲートパークであったサマーオブラブ40周年で一回見ているということだが、全然気にならなかったようだ。

ググって得た情報は60年代にエリッククラプトンがアメリカに来た折、「世界の中でもベストギタリストだ」と言ったとか、クラプトン、ジミヘン、ツェッペリンなどそうそうたるロックレジェンド達と一緒にプレイ経験ありとか。
とにかくどんなギタリストなのか、という先走った期待。それにサンズオブチャンプリンのテリーが絡むんだから悪いショーになるわけがない

Don Quixote’sはSFから1時間半南、サンノゼを通り越してサンタクルズに行く途中のフェルトンという田舎町にある小さなバー+ボールルームといった感じの会場。
ステージ設備自体は結構いい感じなんだけど、はっきり言ってあまりにヒッピーカウボーイな感じのオーディエンス色がきつく、ぽっとやってきた部外者かつアジアンの自分は若干居づらい感じの場所だったが、まぁいいや。

一時間遅刻してファーストセットは見逃した。ちょうどセットブレイク中に会場に着いてステージ最前を確保。

さてセカンドセットが始まった。
ノリノリのブルース色の強いロックンロール。最初の2曲は心地よいリズムだけで持ってかれたが、ちょっとタメゆるくなってテンポが落ちた曲になりほとぼりが冷めると、よく分からなくなってきた。テリーのソロをもっと聞けないかと思って、彼のほうばかりにフォーカスを絞っていた。

が、とにかく引き出しの多いジェリーのブルースギターに知らず知らずの内に引き込まれて行き→テリーからフォーカスが外れる→ジェリーの出音のよさが圧倒的なボリュームで耳に入ってくる
こういった順序でヤラれました。

いやー本当に参った。
アンプから出てくる音がとにかく気持ちがいい。

典型的なブルーズの音なんだけど、当然昨近流行りのモデリング機材で作った音ではなく。
リアルディール。
Fenderベースマンアンプ(かな?)にJPGuitarのホローボディギター「一発直つなぎ」
音量がでかくしてアンプで音を歪ませる
などコテコテな古典ブルースプレーヤーのセッティングなんだけど、やはりリアルディール。とにかく出音が気持ち良すぎて漏らしてしまいましたわ。笑

ピッキングは、さすがにジャズがルーツってこともあり明らかにテリーのほうが正確で細かいところまで聞こえる。それに対しジェリーは早弾き的になればなるほどグチャグチャグチャと片付け仕事みたいに弾いて一聴ガサツなんだけど、それが下手に聞こえるかいうと全然そうではなく、ナチュラルに歪んでいる一つのカタマリみたいに聞こえてとても美味しいのだ。ブルーズなんだよな。
んー全然うまく説明できていないのだけれど、音を聞けば「ここ」と指摘できる程わかりやすい。

しかも手元ですごいことをやりながらも、ショーマンシップもすごいっ。
いつも余裕なんですね。70近いはずなのに、エナジェティックで。
がっちりエンディングを決めた後、あまりに気持ちがいいので彼を見てにたにたしてたら彼が私にげんこつを差し出してきた。私もげんこつを差し出しタッチ。まぁ「YES!!」のような、ハイファイブのようなやつですが、こんなことを演奏中ステージ上のアーティストがしてくれたのは初めてで、ちょっとびっくりしました。

演奏中に弦が切れるというアクシデントもあった。
その曲を終えてスペアギターでいくのかと思ったら、そんなものはなくステージの片隅で自分で弦を張りかえ始めた、近くにいた客とおしゃべりしながら。素晴らしい。笑
当然ショーは5分ほど中断。
あの一本のギターに頼り切りってるんだろう。
つまりあのギターとあのアンプだからあの音が出る。コンビネーションがいかに大切か。
大変勉強になりました。

ここまで退屈せずにブルーズを聴けたのは、ひとえに彼の音が良かったから。
これにつきます。




今回のショーではありませんが、これDon Quixote'sでとられたものでメンバーも同じ。これにテリーが入ったのが今回のフォーメーションです。
それにアンプが違う。これよりもっとまろやかな歪みだったと思う。ただyoutubeなんであんまり音質はあてにならないけど。ギターは同じ。
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