カリフォルニア州在住のスティーブ・キモック、グレイトフルデッドファンが、あんな事こんな事。いろんな事、書きます。

It's up to you 〜Steve Kimock freak's diary〜

10/20/2012 Jorma Kaukonen @ Café Du Nord



生後数カ月の赤ん坊がいる友達の家に行く。
その子があおむけに横たわっていて、なにかを目で追っている。
はたしてその視線の先になにがあるか。何もないことが多い。
しかしその見えるか見えないかの目で、なにかをとらえているらしい。

すると突然口もとがゆるんで、笑みがこぼれてキャッキャとわらいだす。
私たちオトナには?な瞬間だが、とりあえずこっちも気分がよくなる。
パパがいいタイミングで「あーなんか楽しくなってきちゃったねー。いーねー」
ってなことを言ったりする。


このJormaのコンサート。私は赤ん坊になった。
なに考えることなく、そこにいるのが楽しい。
楽しくて愉快で、自然と手足をバタバタさせたかった気分だった。残念ながら席付き、とても静かなスウェディッシュホール二列目でバタバタさせられなかったが、はたから見たら自分は無邪気な赤ん坊のようだったはずだ。苦笑

Jormaは今まで数回見るチャンスがあった。大体Fur Peace RanchでのJormaの印象が強いので、今回はSFにいながら、Ohioにいるような気分だった。
今回のJorma ソロツアーは、Hot Tunaで一緒のマンドリンBarry Mitterhoffと一緒。前回のFillmoreでのJorma一人でのショーは自分の中で伝説化しているけど、今回はBarry がいるからかずいぶん印象が違った。

しっかりとかゆいところまで手の届いた絶対に間違わないアコースティックギターと、語尾がのび気味でうまい具合にギターとハーモナイズする声。寸分のスキもないステージだった。
エレクトリックギターでの電気の魔法がない分、ヨーマの温厚で誠実なキャラががっつり前面にでた。伊達や酔狂で音楽をやってきたわけじゃないというハードコアな面も、ちょっとしたリフやソロから唄へもどるタイミングとか、あちこちでみられた。
Jefferson Airplaneから数えて45年を超えるミュージックキャリア、おそらくこういうカントリーフォークこそ彼の本当にしたかったことに違いない。
すべてにおいて迷いがなく、芯が通っている。必要以上に上手くやろうと力を入れなくても、自然に唄もギターもJormaについてきていて、それを他の人が聴いて美しいと感じられるほどのレベルなのだ。
まさにあぶらの乗り切ったというか、もしあなたがアーティストだったらここにたどり着きたいという場所に今Jormaはいる。
こういう正真正銘のロックレジェンドのマジなショーを見ることができてとても幸せに思う。

Jorma Kaukonen And Barry Mitterhoff 23, 2012
The Swedish-American Hall
San Francisco, California
Saturday, October 20, 2012

First Show:
1. Search My Heart
2. Children Of Zion
3. Hesitation Blues
4. Sea Child
5. Full Go Round
6. I See The Light
7. Come Back Baby
8. I’ll Let You Know Before I Leave
9. More Than My Old Guitar
10. Izze’s Lullaby
11. Let Us Get Together Right Down Here
12. 99 Year Blues
13. Keep On Truckin’ Mama
14. 9 Pound Hammer
15. Encore: How Long Blues
Second Show:
1. Serpent Of Dreams
2. True Religion
3. Nobody Knows You When You’re Down & Out
4. That’ll Never Happen No More
5. Things That Might Have Been
6. Barbeque King
7. River Of Time
8. Bread Line Blues
9. Goodbye To The Blues
10. Good Shepherd
11. San Francisco Bay Blues
12. Uncle Sam Blues
13. I Am The Light Of This World
14. I Know You Rider
15. Encore: Genesis

10/10/2012 Steve Kimock @ Hopmonk

バンドっていいよなーとつくづく思った晩でした。

そしてこの日はなによりBernieが一番輝いていた。


ツアー疲れが明らかだったSteve。もちろんいつも通り普通のロックショーの標準をはるかに超えた素晴らしいパフォーマンスだったけど、もっといい時のSteveを知っている自分としては、「あーツアーで疲れてるわ」ってのが目に見えて明らかだった。

ソロでステージに立っているときは、そんな時どうにもならない。とにかくレベルを下げないように慎重に乗り切るしかない。
でもバンドであれば当然ほかのメンバーが助け舟に回ることが必要になってくる。

この晩Bernieは助け舟以上の活躍をした。
恐ろしい集中力としかもポジティブなエナジーに満ち溢れ、PAから出てきている音が完全にBernieの今までの人生のかたちをしているかのようだった。
たぶんこの日のBernieは一生忘れることがないと思う。怪物のようだった。

今までに何十回とKimockのショーを見てきたが、ここまでKimock色の薄いショーはなかった。いや、Kimockはいつも通り出来る限りの仕事をしたと思う。ただただBernieがKimock以上に強烈な色を発していたというだけのことだ。

思い返してみるとKimockのバンドにはいつも彼の好敵手となるようなメンバーがいた。そしてどういうわけか、いつもKimockが突出して輝いてしまうという結末が待っていた。言い方が悪いが、他のメンバーを食ってしまう。
Crazy Engineで一緒だった時、Melvinはがっつり組み合ったけど、フィールドが違うところで戦っている感があった。Melvinはプロフェッショナルなエンターテイナーで、きっちり仕事をするタイプで、あえてKimockとは張り合わなかった。
Bobby VegaはいつもKimockと対等に張り合う。たまに「勝負!」な感じになる。でも最近のKimockはレゲエ色の強い傾向があって、ちょっとKimockとはページがずれている感じがする。Kimockの方から、Bobbyとの距離を置いている感がある。
Rodney Holmsとは相性がよかった。別れてしまったのは残念だが、Rodneyの攻撃的かつ手の多いドラマーと、いつも普通の人が見ていない別の世界を見ているKimockとの相性は絶妙だった。それでもRodneyがKimockを食ってしまったと思った事は一度もなかった。
Phil Leshとも相性は絶妙だった。インプロの天才の二人が真っ向から音楽に取り組んでいる感じがとても気持ちよかった。でもRodneyもそうだけど、いいパートナーであり、リスペクトしあっている感じでお互い勝負する感じはなかった。
注目していたBarry SlessもKimockと同じステージに立った時は、明らかにKimockにスペースを譲った。

1999年10月21日、コロラドはデンバーのフィルモアでのPhil and Friends。Phil Lesh - bass and vocals, Steve Kimock - guitars, John Molo - drums, Billy Payne - keyboards, Paul Barrere – guitarというメンバー。このショーはCDでしか聞いたことがないのだけれど、私の中で5本の指に入るくらい最強のショー。なぜなら、Little FeatのPaul BarrereとKimockとのギターバトルが聞けるからだ。両者とも全然引かない。好戦的なまでにお互いジャムりまくっているのが一聴してわかる。ぜひ聞いてみてください。
Kimockと他のメンバーがバトっているのを聴けるのはこのショーくらいだ。
結局どのショーでも耳はKimockに向けてしまっている自分に気が付く。

が、

今回は違った。Bernieが完全にKimockを食った。
ここまですさまじいショーは予想していなかったので本当にびっくりした。

特にセカンドセット。ステージ上でKimockがあんなに心もとない感じで、嫉妬しているような若干不機嫌くらいな表情を見せたのは初めて見た。Bernie、良すぎたのだ。
Bernieのソロも長かったし、音量もでかかったし、音色もかなりユニーク。しかもTalking Headsの曲になるとKimockはソロ弾かないし。今回のショーではFunkadelicの曲は全然やらないみたいで、BernieがVocalをとるのは全部Talking Headsの曲ばかりだったけど。Naïve MelodyにしてもBurnin’ Down the Houseにしても、10代の頃から、Stop Making Senseを聴きまくってきた自分としてはもう涙がちょちょ切れものだったし。

とにかくBernie様さまな晩だった。キーボードが4台。この前は2台だった。その分音のバラエティも増えて、完ぺきだった。



バーニーウォーレル 68歳。
ファンクキーボードのパイオニアの一人。
ファンカデリック/ パーラメンツの創設メンバー。トーキングヘッズと共演した作品、ストップメイキングセンスでの活躍が特に有名。現在はバーニーウォーレル・オーケストラを率いて活動中。2012年、サイドプロジェクトとしてスティーブキモックとツアー中。
このDVDおすすめですよ。トーンが暗いけど。
http://www.amazon.com/Stranger-Bernie-Worrell-Earth/dp/B000TV4QXM/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1350186142&sr=8-7&keywords=bernie+worrell

しつこいようだが、この晩は一生忘れない晩になると思う。

10/07/2012 Keller Williams, Steve Kimock & Kyle Hollingsworth Featuring Bernie Worrell, Wally Ingram & Andy Hess @ Golden Gate Park



Warren Hellmanという投資家でありミリオネアが2001年にはじめたこのHardly Strictly Bluegrassも今年で12年目。残念ながら彼は去年77歳でこの世を去った。
一緒に行ったロビンも言っていたが、こういうフェスはここにしかない。

タダ。
すごいメンツがそろっているにもかかわらず、タダ。
タダで、凄いラインナップということもあって、当然のことながら、いろいろな人が色々なところから色々な目的でやってくる。
どんな理由であれ、人を集めるというのは大変なことだ。
ピクニックがてらに来ましたという家族連れから、酔いどれのどうしようもなく始末に悪いのまで、そこで繰り広げられるトップレベルの音楽を聴きに来る。

たまにこちらのコンサートで感じることなんだが、正直盛り上がりすぎて怖いと思う時がある。荒れているのではないのだ。みんなエキサイトしすぎて、「こいつら何をしでかすかわからないな」という瞬間がある。みんな酔って笑っておどっているんだが、その発しているエナジーが尋常ではないのだ。

今日のショーがそんなショーだった。

Keller Williams, Steve Kimock & Kyle Hollingsworth Featuring Bernie Worrell, Wally Ingram & Andy Hess。



一見誰が主役だかわからないような焦点の定まらないメンバーなので、どうなることやらと思っていたら、想像した以上によかった。
オーディエンスのエナジーがあったからか。
キモックのナンバーは、なし。なしといっても、Come Together, 54-46は演ったけど、カヴァーだしね。
あとの曲は全部Kellerの曲だったか、聞いたことない曲ばかりだった。
そんな慣れない場面でもSteve, Bernie, Andy, Wallyは、きっちりと自分の腕をみせ、他のメンバーの見せ場も十分作っていた。
Steveが外部ミュージシャンと一緒にやるときに、ハードコアキモックヘッズの間で必ずでる不満が、「Steveのソロが十分でない」とか、「あいつがSteveの凄まじいソロをぶつ切りにした」というものだ。

今回はそんな不満はまず出なかったと思う。
それはKyle, Keller、二人がしっかりSteveがどんなミュージシャンで、客がこのステージに何を求めているかをわかっていた。そしてバンド自身もどうすれば一番見栄えよく、感じよく客にアピールできるかがわかっていた。

つまるところ、私のようなスティーブしか見ていない人間でも、今回のショーで知っている曲は25%ほどであるにもかかわらず、知らない曲でもそれぞれSteveがソロを十分に弾いてくれたおかげで、全体的に見て大満足。

気分よく「Keller William全然知らなかったけど、よかったよ」といえる。
または、「KyleはBernieと一緒にプレーしているのを、エンジョイしていたよ。見ていてリスペクトが感じられて、本当に気持ちよかったわ」とも。
「なんかいいミュージシャンで腕はあるんだろうけどさ…」じゃなくて。

ほとんど作戦勝ちと言ってもよい出来だった。
Hopmonk、水曜日が楽しみです

9/30/2012 Furthur @ Shoreline Amphitheatre



プロフェッショナルなショーでした。
Shorelineはマウンテンビューにある大きなコンサート会場で、とてもコーポレートな匂いのする会場ですが、やっぱエンターテイメントというひとつの大きなワクに括られると、こういう会場は音響照明から客の扱い誘導まで、すべてにおいて慣れていて、イベントをする側としては便利な会場なんでしょう。
バンドもそれなりに集客力のあるバンドじゃないと、怖くてこんな会場では興行が打てないだろうなー。

それにしてもバンド、凄かった。
まずコーラスワークがバンド立ち上がりから比べて、格段にプロフェッショナルになtっていた。いかにもスタジアムバンドといった感じの、息をのむような一糸乱れぬコーラスワークにはびっくりした。

あとGuitarのJohnの居所がようやく定まってきた。というよりも、こちらで位置づけがようやくわかってきた。
Jerry役というのは一見派手で一番目立つように見えるけど、実はかなりきつい貧乏くじで、Phil & FriendsでもRatdogでも成功例はほとんどないように思える、少なくとも最近は。

99年、まだメンバーが流動的だったころののPhil & Friendsが未だに一番機能していたように思える。Steve Kimockがファーストギタリストで、Trey、Barry Sless、Jorma Kaukonen、Little Featのギター(名前、失念…ポール…なんだっけ…)などにセカンドギタリストとして回していたころだ。

今回元Dark Star OrchestraのJohn を見て聞いて思ったのは、結局邪魔にならないギタリストなのだ。PAから出てる音を聞くと彼がいかに他の弦楽器、しかも主役のPhilとBobbyを立たせようとしているのが手に取るようにわかった。
特にギター、Bobbyの直線的できつくコンプレッサーのかかった、とがった音に対して、Johnはややオーバードライブ気味でリヴァーブが深くかかったトーン絞り気味の音で来る。一緒に音を出していても、はっきり両者の違いがわかるし、音の性質上Bobbyの音の方がはっきり聞こえる分音量が大きく聞こえる。
Philとも出している音の音域が全く違う。ご存じのとおり、PhilはPhilにしか出せないあの複製不可能なベースラインを、トーン全開でやや中音域〜高音よりで弾いてくる。

驚くべきことにキーボードのJeffとたまにかぶるのだ。JeffがハモンドB-3でコードを弾いている時、たまにJohnのギターのリヴァーブがかぶると、音が混ざってよくわからなくなった時が何回かあった。しかしこの二人はJeffがインプロでとんでもない冒険をすることがあるのに対して、Johnはいつも安全地帯を出ることがないという、プレイスタイルの違いがある。

コーラスの二人の声は相性抜群だし、あとドラマーのJoe Russo。今日はこの人のすごさがわかったのが一番の収穫だった。
Furthurのドラムは今まで全然みてこなかったが、今回、特にアンコールのSamsonでのドラミングをみて、Furthurはもしかしたらこの人のドラムでもっているのかもしれないと思うほど感動した。
アンコールにもかかわらず、とにかくよく手が出ている。しかも強弱がわかりやすい。
どこでタンブリンが鳴っているのかと数分探した。よーく目を凝らして見ると、彼が足で鳴らしていた。手は完全にふさがっているのはよくわかるし、シンバル系も鳴っていた。で、その上タンブリンですか?恐れ入りました。

セットリストもセカンドが異常にすごかった、サンドイッチがいくつあったか?
必須曲満載だった。Terrapin, China cat, St, Stephen, Eleven, China doll, Sugar Magnolia、本当にあれは何だったんだろうと思うくらいに、凄まじい選曲だった。Blues for Allahのエンディングティーズも嬉しかった。
本当にあれは何だったんだろ。魔法な夜でした。
PROFILE

kochan

TRACKBACK
LINK
Search
DTI ブログ