カリフォルニア州在住のスティーブ・キモック、グレイトフルデッドファンが、あんな事こんな事。いろんな事、書きます。

It's up to you 〜Steve Kimock freak's diary〜

07/28/2013 The Terrapin Family Band w/ Bill Kirchen @ Terrapin Crossroads

最近Terrapin Crossroadsは日曜日はほとんど毎週12時半からサンデーブランチで、The Terrapin Family Bandが演奏しているようだ。
普通にランチって言ってもいい時間だけど、ブランチ(ブレックファスト+ランチ)ってのは、面白い。
土曜の夜に「ワンモアサタデーナイト」だった人達には、ちょうどいい感じに目が覚めはじめる頃だからか。。。
Bob WeirのSweetwaterも同じ事をやっている。

元Commander CodyのBill Kirchenがゲストで面白いなと思って、大遅刻はしましたが行ってきました。



Terrapin Family BandというのはPhilの息子、Brian(Mandolin, Guitar, Vocal)とGrahame(Guitar, Vocal)の二人を中心としたTerrapin Crossroadsのハウスバンド。
たまーにお父さんも一緒に演奏する。
この息子二人のボーカルハーモニーが実にいい。多分まだ学生さんだと思うが、偉大なお父さんのおかげでミュージシャンとして恵まれた環境にあると思う。
ちなみに二人の顔はそっくりで見分けがつきません。
どうであれ事前にPhilが演奏するというアナウンスがない限り、たとえPhilがジョインしたとしても、タダでいい演奏を聴かせてくれる。
もちろん何かオーダーすればお金はかかるけど。
何もオーダーしなくても何も言われない。ほとんどはそういう客ばかり。

どんな曲を演奏してただろう。Bob Dylan, Neil Young, Grateful Deadあたりのカバー。
あとオリジナルも数曲

今回はBill Kirchenがゲスト。
骨太なカントリー、ロカビリーテレキャス。
かっこよかったねー。
気難しそうな白髪のやせたおじいさんだけど、音に狂いは1ミリもなかったです。
テレキャスの教科書のようなサウンド、一点の歪みもないクリアーでパッリパリなサウンド。
「次はこれやるけど」っていうフィルの息子に、「あぁ、なんでもいいよ」って答えるBill。かっこよかったなー。


Fur Peace Ranchで何人もの人がBill Kirchenを絶賛していて、どんな音を出す人だろうと思っていたけど、ほとんどイメージどおりの人でした。
一直線で美しい竹を割ったかのような、そんな音でした。

07/20/2013 Zigaboo Modeliste, Tea Leaf Green @ New Parish

人間国宝ドラマーZigabooのギグ。
相変わらず最高。



ステージ上のミュージシャンが全員うまいっていうのは、安心して聞いていられて本当に気持ちがいいです。
メンバーは以前と変わらず。



Zigaboo Modelisteは言わずと知れたThe Metersのオリジナルドラマー。
The MetersのオリジナルメンバーはArt Neville, George Porter Jr, Leo Nocentelli, Zigaboo Modelisteというニューオリーンズ出の鉄壁のリズム4人組。
1965年に結成で、Zigabooは1948年生まれだから、バンド結成時彼は16、17歳だったことになる。
10代の若者があのCissy Stratの唯一無二なグルーブをたたきだしていたとは...まったく脅威としか言いようがない。
この前も久しぶりにMetersの古いアルバムを聞いたんだけど、Leoの独特な空気感のギターと、Zigabooの変なところでスネアが入るドラムは、未だに際立ってユニークだと思った。
ショーでこのリズムを聴くと、一気に雰囲気が「祝祭モード」になる。

Oakland在住のZigabooさん。New Orleansから遠く離れても、あの祝祭リズムに衰えは全くない。


これ、すごくいいビデオだなー。
ドラマーじゃないけどこれ欲しい。。。


Tea Leaf Green。
8年くらい前に一度Fillmoreで見たときは、なんかアイドルジャムバンドみたいな感じで、恐ろしく軽くて全然好きだと思わなかった。
2005年にSKBが散けて、ベースのReed MathisがTea Leaf Greenに入ったと言う噂を聞いた。
ReedとJacob Fred Jass Odyssey は2006年にハイシエラで見た。素晴らしかったが、追っかけるまではいかず。
今回はその時ぶり。

オリジナルばかりで1セット、約2時間のステージ。
Tea Leaf Greenはとても良かった。

見ていたのはBassのReedとKeyboardのTrevor Garrod。
Reedはやっぱりすごい。


ベースなのだけど、普通なバンドのいわゆる「ベース」としては全然機能しておらず、ギターのようにメロディーを紡ぐ楽器としてファンクションしているのがGrateful DeadのPhilの立ち位置と似ている。
彼はもとはギタリストじゃなかったかなと思う。シンセベースで高音でソロを弾くのもギタリストの名残っぽい。


あと先月Everyone OrchestraでもプレイしていたTrevor Garrodがとてもいい仕事をしていた。
こなれた感じで、グイグイと曲、客ともに引っぱっていく感じが単純にすごいなと思った。
Wikiによるとこの二人はオリジナルメンバーではないとの事なので、いい意味でここ数年で化けてきたんだと思う。



メンバーの歳のせいもあるだろうけど、変にユニークに感じられた。
ルーツの匂いがとても薄い。
リスペクトがないというのではなく、ルーツを完全に消化し、それを彼ら自身の言語でして表現している感じ。
普段ほとんどが平均すると60歳以上のミュージシャン達を見てばかりいるせいだろうか… なんか軽く感じた。
おもしろいなーと思った。僕の耳が歳をとっているんだろう。

07/14/2013 Linda Imperial Band @ The San Rafael Elks Club

オープニングアクトとして、David Gans。
器用な人だ。



KPFAというベイエリアのラジオ局で水曜8時からDead to the Worldという番組がある。
http://www.kpfa.org/archive/show/80

そのラジオのDJがこのデイヴィッドガンズ。色々と昔からデッド研究家みたいな顔で知られてきているようだが、こちらで今David Gansは?と聞かれるとたいていの人はSycamore Slough String Bandの人か、Dead to the Worldの人と答えると思う。
何度も彼のソロギグを見たが、デッドのいいジャムの部分を抽出したようなジャムをルーパーを使って器用にこなす素晴らしいミュージシャンだと思う。
あなたがデッドマニアならにやりとできると思う。
見た目からして研究肌な感じの人なので、ワイルドなデッドファンには単に「オタクな人」で終わってしまいそうな感じもあるが...
振り幅の激しいデッドファンの中でもとてもいい立ち位置にいる人だと思う。ラッキーな。


今回のLinda Imperial Bandはその名の通りLinda Imperial(元Jefferson Starship)のバンドで、夫のDavid Freibergも一緒のステージだった。
サウンドとステージ周りをやっているトーマスが見に来ないかと言うので、行ってきた。
全く知らないバンドだったが、とても楽しかった。
ブルーズを基調としたオリジナルに、QuicksilverのFresh Air, Pride of Man。Jefferson StarshipのJane、Grateful DeadからLoser等のカバー。

とても良かったのだけど、その日はとても暑かった。
しかも会場がSan Rafaelのフラタニティー施設の中庭で、正直「ロックショー」を見るにはとりわけ最低な環境だった。
フラタニティーはロータリークラブのようなゆるーい同人会みたいなもので、こっちの大学にはつきもの。
この会場のフラタニティーがどのようなものかは興味がないしわかりかねるが、まぁはっきりいってクールではない。
とても白人白人したなかで、しかも炎天下。噴水があるが、なんかヨーロッパ調の彫刻みたいなのが施してあって、意味もなく腹が立った。笑
そこそこ裕福な元ヒッピー達の生ぬるい同窓会みたいな感じで、ステージが熱いわりに客は寒かった。バンドは暑い中、本当によく頑張っていた。



最後の曲Janeで圧倒的な声量を見せたDavid Freiberg。
Quicksilver Messenger Serviceではベーシストとして立ち上げからメンバーで、72年には補強ボーカルみたいな形でJefferson Airplaneに参加、Jefferson Starshipにも付き添った。あとMicky HartやRobert HunterなどGrateful Deadのメンバーのレコーディングにも参加している。
彼の顔を最初に見たのは、5−6年前、サンフランシスコはマーケットストリートの先っぽ、ジャスティンハーマンプラザでのJefferson Starshipのショー。
野外フリーショー。
人のよさそうな、くりんくりんな白髪のでっぷりとしたおじさん。
タンバリンを持って歌っていた。
眼鏡の奥に見える眼もくりんくりん。
人がいいのは解るのだが一言声をかけるのに若干勇気がいる顔をしているJormaや、としをめしても相変わらずシャープな雰囲気漂うJackなどと比べて、いかにもヒッピーハッピー感がにじみ出ている。

2009年はサマーオブラブ40周年で、この年ほどDavidの顔をよく見た年はなかった。
どこへ行ってもいるのだ。
Quicksilver、Jefferson Airplaneというサンフランシスコサウンドの二大巨頭にいたというのは、そういうこと。
どこへ行ってもタンバリンを持って、たまにアコースティックギターかきならし、ステージにいる。
そしてどちらのバンドでも2〜3番手。スターは他にいるのだ。
いつも一挙一動見られているスターではなく、ほんの数曲でガッと腕を見せて客のアテンションを一瞬で独占する。
今になってはマイナーっちゃマイナーな存在ではあるが、この人なくしてこのシーンは歯抜けも同然だったんだろうなー

個人的には、正直今回Linda Imperial Bandを見るまではよく解らなかった。
タンブリンをもってコーラスする人の良さそうないかにもオールドヒッピーを体現しているような存在。
ギターもコードそのままかき鳴らすような感じで、びっくりするような事はしない。
バンドメンバーとしていなければならないけど、がっつきで見た事はなかった。



声、声量。
どちらかと言うと、大げさに言うとオペラのように底から出てくる声。
あまりロックのシーンで聞かれる声ではないように思う。特徴はその太さ。
Janeで前に出てきた時に大いに一人でガッテンしてしまった。圧倒的だった。
このDavidさんは、声が武器だった。

リンダインペリアルバンドまた見に行きたい。

Bernie Worrell Orchestra 07/05/2013 @ Moe's Alley, 07/09/2013 @ Sweetwater


去年キモックのショーを追っかけて以来、Bernieのファンになった。
確かにTalking Headsのフィルムは今聞き直してみるとほとんどBernieの独壇場だったということがわかるし、Funkadelic-Parliamentのファウンディングメンバーだというのもすごすぎる。
目玉が飛び出るほどのキャリアの持ち主であるというのは一目瞭然なのだが、伝説のあのBernie Worrellではなく、なにより今のBernieをちゃんと見ておきたかった。
Bernieが主役のショーというのはどんな感じになるのか。

Moe's Alleyに着いたのはショーの一時間前。
The Incitersという地元のソウルバンドが一時間半くらい演奏した。

ギター二人、ベース、ドラム、トランペット、トロンボーン、サックスのホーンセクションに、女性ボーカルが3人、という大所帯。
3〜4分くらいのダンスナンバーを矢継ぎ早に出してくる。
トラディッショナルなブルーズ進行を色々なリズムパターンにのっけてる感じで、単純にかっこいい。

で、BWO。
バンドのページによるとそもそもこのバンドのはじまりは、2011年のアルバム"Bernie Worrell Standards"のミュージシャンをそのままに、ツアーに出たのがきっかけとのこと。
ということは2012年がほとんどKimockのサイドマンとしての仕事が多かったBernieにとっては、このバンドはほとんどニューバンドだ。
Guitar; Kyle Cadena, Andrew Kimball, Bass; Scott Hogan, Drums; Evan Taylor, Violin; Nicole Scorson, Keyboard; Bernie Worrell。


今月の初めにBWO is Landingというニューアルバムが出た。
曲はそこからが多かったと思う。
Come Together, Red Hot Mama, Take Me to the Riverも演ってくれた。

一発目の最初の音からオープニングアクトとは全く違った。
とにかくラウド。がつんと来る以上の迫力。
隙間重視の聞き慣れたサンフランシスコ/ジャムバンド系のノリとは全く違う。
バイオレントなまでにきらびやかに重ね塗りされた大盛りな音に完全にやられた。

彼の真ん前で見せてもらったが、つくづくキーボードという楽器は面白いと思う。
カシオ、Moog、クラヴィの三台。
弾き方によっては一歩間違えば伝統楽器なエレクトリックギターや、コードが弾けない管楽器、リズムは出せるけど彩りに欠ける打楽器などと違って、制限なく何でもできる。しかもシンセだと、ボタンを押すだけでどんな楽器にでもなれる。



Kimockのバンドでも、Melvin Sealsのように飽くまで伝統的なオルガンの音にこだわるKey Playerもいる。B3とレズリーがこれほど似合う人もいない。
CheeseのKyleとのコンビネーションは最高だった。funkなKeyとKimockとの相性が合った。
ZeroでのChip RolandのKeyはいつも控えめ。Kimockのサイドマン以上の事はしない。でも彼のツボを得たややjazzyなplay styleはいつ聞いても心地いい。
Pete SearsのKeyはいつもピアノという印象がある。よりJazzyでスウィングしている。それよりも彼はベーシストの顔の方が印象深い。
どうしても忘れられないのがMerl SaundersのKey。去年出たKeystoneのCDの悪意があるとしか思えないあのfunkyな音が耳にこびりついて離れない。

話を戻すとどのKeyboard playerを見ても全く違う印象を持ちがちな中、Bernieとなるともう「人間国宝」という言葉以外思い浮かばない。
キモックとのバンドでもよく見られたのだが、バンドが乗っている時に、鍵盤を叩きまくる姿。鍵盤楽器が打楽器化している。
そして、突飛にわけのわからないひん曲がった音を出すセンス。お笑いに近い。
彼以外そんな事するKeyboardistは見た事がない。
いつも彼の音を聞くたびに、笑えてきてしまうのはどういうわけか。

Strangerという彼のドキュメンタリーをみたのだが、もともとはクラシックのバックグラウンドを持っている人だったと思う。
床屋かどっかでGeorge Clintonと知り合ったんだっけか。で、よりポピュラーな音楽へ入って行った。
彼を実際に見た人なら解ると思うが、Bernieは色々なところからメロディーを引用してくる。
Kimockもインタビューの中で「Cutupが巧い」と言っていた。
キーとリズムが合ったところからスッと違う曲のメロディーを挟む。
この日もManic Depressionが、確かTake me to the Riverに入ってきた。
みな「え?」みたいな表情だったところをみると、バンドメンバーにとってはこのジャムは寝耳に水だったらしい。
色々な曲が常に同時進行で頭の中で回っているというのは、引き出しの多さの賜物だろう。

面白いなと思ったのは、Bernieがユニークな事をはじめるとバンドが静かになる。静かになるどころか全く音を出さなかったりするときすらあった。
べたべたと原色な音が重ね塗りされる時よりも、その瞬間が一番よかった。何よりBernieの音がはっきり聞ける。
まだいっても平均30そこそこにみえるバンドじゃ魑魅魍魎の域のBernieを持て余してしまうのも仕方がない。

うまい具合にバランスがとれたのがSweetwaterでのショーだった。

ゲストにTalking HeadsからJerry Harrisonと彼の娘、バイオリンにJason Crosbyを迎えた。





Moe's AlleyでBernieが全部背負わなければならなかった役割が、ゲストのおかげで分散できたようで、全く別バンドのように生き生きしていた。
大盛りは大盛りに変わりないんだけど、音のバランスが絶妙だったんだと思う。
また客もかなり入っていた。賑わっていた。セットリストもよりオーディエンスフレンドリーで、客とのつながりが感じられるものだった。
つまりニューアルバムからの新しい曲は最初数曲で、あとは誰が聞いても「あぁあの曲か」と思えるようなものばかり、



ミュージシャン達もいいショーをしようと気張った感が見えたSanta Cruzのショーと違って、全然リラックスした感じだった。
音もさすがsweetwater。全然よかった。Moe'sで感じたtoo muchな感じが全然なく、ここまで会場によってアコースティックが違ってくるかと驚いた。



07/09/2013 Bernie Worrell Orchestra @ Sweetwater Music Hall

So Uptight
BWO Is Landing
Y-Spy
Thug
She Cracked w/ Jerry
Take Me To The River w/ Jerry
Mothership Connection w/ Jason
Come Together
Life During Wartime w/ Jerry

Encore:
Red Hot Mama w/Jason

爆弾が落っこちたようなショーだった。また観に行きたい。
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kochan

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